樹脂切削の特徴
樹脂への加工についてご案内です。 樹脂は、アルミや金属などとちがって接着(貼り合わせ)が可能です。 すべてが接着できるわけではありません。 ABSやPCは、接着できるため金属では放電加工やワイヤー加工でエッジが必要な部分は 分割して切削加工して貼り合わせることでエッジにすることができます。 樹脂切削の試作では、一体加工と貼り合わせの2つのパターンがあります。 さて、この2つのパターンのちがいは何があげられるのか考えてみます。 ① 強度 ② 寸法精度 ③ 加工R ④ 外観 ⑤ 価格 ざっと考えたところ、以上の5点くらいがあります。 ① 強度 一体加工と貼り合わせでは、やはり強度が異なります。 貼り合わせができるABSやPCは溶剤で貼りますから、それなりに強度を保てますが一体物と 比べると差が出てきます。 落下テストや強度テストをするのであれば、一体加工が最適です。 ② 寸法精度 寸法精度については微妙なところです。 寸法が安定するのは一体加工ですが、多面加工になると治具を作り、そこにセットして加工 するためズレが生じる可能性があります。 ただ、これを最小限におさえるように考えています。 それぞれの面を加工する際に、原点をとり直していくことや一方向からの加工にすることで センターのズレを防止しています。 それでは貼り合わせの時はどうかと言えば、一体になっている部分の精度は安定しますが 部品(パーツ)を作って貼るのは、人の手で貼りますからズレや倒れなどのリスクがあります。 もちろん貼り合わせする部分は、段差をつけて位置が決まるような工夫をしております。 製品が複数だと個体差のバラつきが多いのは貼り合わせの方ではないかと考えられます。 ③加工R 加工Rは、刃物の突出し量で変わってきますので長い刃物を使わないといけない場合に 一体加工と貼り合わせでは大きな差が出てきます。 エッジが必要であるとか、最小Rが0.25などをもとめられる、製品の高さがあり長い刃物で 加工する必要があるものは貼り合わせの方がいいでしょう。 一体加工であれば最小Rが大きくなりがちです。 ニガシでいいとか、手加工でいいという条件であれば、一体加工でもかまいませんが 深い細い部分を手加工となると、