第3回 3Dコピー(真空注型)~パーティングライン~

前回は、マスターモデルをシリコンで型取りしたところをご案内しました。

写真ではマスターモデルがあり、次の写真ではシリコンゴムの中に埋められた状態に
なっていました。
今回は、どのようにして埋められた状態になったのかを説明していきます。



型取りとは、このマスターモデルを単純にシリコンゴムの中に埋めるのではありません。
真空注型するためには型取りした後には、樹脂を流し込む必要があります。

ですから樹脂を流し込めるように、シリコンゴムに埋められたマスターモデルを取り出し
樹脂を流し込むための入り口(注ぎ口)が必要になります。

取り出すためには埋められたシリコンゴムを切り開かなければなりません。

じゃあ、どうやって切り開くの?

それは、埋められたブロック状になったシリコンゴムの外側からマスターモデルに
向かって刃物で切っていき、ゴム型を上と下に切り分けます。
製品をキレイに取り出すためには、この切っていく熟練の技術が必要になります。

マスターモデルまで切り開くとゴム型が上型と下型に分割できます。
上型は凸形状で下型が凹形状になるのが一般的です。

この上型と下側が別れる部分のことをパーティングラインといいます。

切り開くには、このパーティングラインをめがけて切っていきます。


それでは、このマスターモデルのパーティングラインを考えます。




上と下に別れるパーティングのラインを最初の写真に黄色であらわしました。
わかりにくいかもしれませんが、スマホカバーのフチの部分が一周まわっているのが
おわかりでしょうか。

今回の場合は、この黄色のラインがもっとも一般的なところでしょう。


シリコンゴムの中に埋められたマスターモデルを切り開くためには、この黄色のラインを
めがけて刃物で切ります。
ここに到達するまで外側から切っていけば、シリコンのゴム型は上下に分割されます。

切るラインがズレると、最終的に真空注型でできあがった製品にそのズレたラインが
再現されてしまいます。
いかにそのラインを製品に出さないか、これが職人の技術の見せどころです。


今回は、このパーティングラインの説明までとします。





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